【社労士】法改正 2023年試験  「離職後に事業を開始等した場合の雇用保険受給期間の特例」

社労士

離職後の就職活動中の生活保障として受給できる基本手当(いわゆる失業保険)ですが、離職後に事業を開始等した場合に、受給期限の延長ができるようになりました。

この改正によって、事業がうまくいかずに廃業したとしても、起業〜廃業の期間(最長3年間)分、受給期間の進行を停止することが可能になります。

以下、改正内容についてわかりやすく説明していきます。

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キーワード・数字

・基本手当

・受給期間の延長

・最長3年間

改正内容

施行日 : 2022年7月1日

離職後に事業を開始等した場合に、求職者給付の基本手当(いわゆる失業保険)受給期間延長の特例申請ができるようになりました。これにより廃業したとしても起業〜廃業の期間(最長3年間)分、受給期間の進行を停止することが可能になります。

参 考:離職後に事業を開始等した方は雇用保険受給期間の特例を申請できます(厚労省)

基本手当・受給期間とは?

基本手当とは?

基本手当とは、雇用保険に加入している人が離職した場合に、失業中の生活を心配しないで安心して再就職できるよう支給される手当です。

世間一般的に言われている「失業保険」のことですが、社労士試験を勉強されている方は全体像と名称を正確に覚えておく必要があります。

 失業等給付 ー 求職者給付 ー 一般被保険者に対する求職者給付 ー 基本手当

↓リンク先の図は試験本番までに何も見なくても書けるようにしてください。

参考 : 雇用保険制度の概要(ハローワークインターネットサービス)

基本手当の受給期間とは?

基本手当の受給期間とは、離職後に基本手当を受給することができる期間のことをいいます。

原則は離職の日の翌日から1年以内(所定給付日数330日の場合は1年と30日、360日の場合は1年と60日)ですが、その間に病気、けが、妊娠、出産、育児等の理由により引き続き30日以上働くことができなくなったときは、その働くことのできなくなった日数分(最長3年間)、受給期間を延長することができます。

この延長理由に「事業を開始等した場合」が追加されました。

特例申請の要件

特例申請の要件は次の①〜⑤をすべて満たす必要があります。

①事業の実施期間が30日以上であること

②「事業を開始した日」「事業に専念し始めた日」「事業の準備に専念し始めた日」のいずれかから起算して30日を経過する日が受給期間の末日以前であること

③当該事業について、就業手当または再就職手当の支給を受けていないこと

④当該事業により自立することができないと認められる事業でないこと

 ※次のいずれかの場合は④に該当する

・雇用保険被保険者資格を取得するものを雇い入れ、雇用保険適用事業の事業主となること

・登記事項証明書登記事項証明書、開業届の写し、事業許可証等の客観的資料で、事業の開始、事業内容と事業所の実在が確認できること

⑤離職日の翌日以降に開始した事業であること

※離職日以前に当該事業を開始し、離職日の翌日以後に当該事業に専念する場合を含む

手続き

対象者 : 離職日の翌日以降に

   (1)事業を開始した

     or

   (2)事業に専念し始めた

     or

   (3)事業の準備に専念し始めた」方

申請期間: 上記(1)〜(3)の日の翌日から2ヶ月以内

対象期間: 本来の受給期間1年間 + 起業等〜休廃業までの期間(最長3年間)

背景

新型コロナウイルス感染症による雇用への影響等に対応し、雇用の安定と就業の促進を図るために行われた改正のひとつです。

特に新型コロナウイルスが流行してからは就業形態が多様化しており、起業した人が廃業となってしまってもその後の再就職を支える仕組みを設けることで、リスクに備えることができるようになりました。

まとめ

・あらかじめ申請しておけば廃業しても基本手当を受給することができるようになる

その他の延長理由(病気、けが、妊娠、出産、育児等)とともに試験でも問われそうな内容ですね。

また、資格を取得したのちに開業社労士になることを考えている方にとってはとても重要な情報かと思いますので、覚えて損はない改正内容かと思います。

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